意外と知らない音声作品を選ぶポイント!『録音方式』の違いについて

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今更聞けない録音方式!

近年流行りのAMSR。

この流行りによって、同人界隈でも音声作品が注目されているということは、こちらの記事でもご紹介した通りです。

しかし、意外とその録音方式の違いについて知らない方は多いのではないでしょうか?

ASMRというのはあくまでジャンル名であって、実は録音方式ではないのです!

今回こちらの記事では、音声作品を選ぶ大きなポイントであるその録音方式について、ご説明致します!

録音方式は大きく分けて3つ!

音声作品の録音方式は大きく分けて

 

『モノラル』

『ステレオ』

『バイノーラル』

 

以上の3つに分類されると言っていいでしょう。

上記の通り、ASMRは簡単に言えば『脳が震える刺激的な音』のことなので、録音方式ではありません。

 

「いや、そんなこと知ってるよ。左右から聞こえる音がステレオ、それをすごくしたのがバイノーラルでしょ?」

 

という声が聞こえてきそう…。

実際簡単に言えば、その通りではありますが…

 

バイノーラル>ステレオ>モノラル

 

というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?

 

それは大きな間違い!

 

実は、この3つはあくまで録音方式(機材)の“違い”であり優劣ではないのです。

実は一番聴きやすい?『モノラル』

(5年以上も前の作品だが、単純な声の聴き易さは今の流行りのバイノーラルより良い)

 

一つずつご説明していきましょう。

まずは一番誤解を受けていそうな『モノラル』

(安いモノラルマイク。集音部が1個であることがよくわかる)

 

『こちらの音は一本のマイクで収録した音』

 

のことになります。

 

(ちなみにこちらは音声の波形データ)

 

このため波形ではこんな感じ。

1つのAudioデータに対して、1つの波形データがある形になります。

そして、マイクが1本のため定位(音の位置)や音そのものがハッキリするというメリットがあります。

音声ファイルの容量の問題もあるのですが、DTM界隈では、収録するものによって、ステレオモノラルはちゃんと分けるのが基本。

ことボーカルデータなどはモノラルで録るのが基本とされています。

これは主に色々と音が鳴る中で、ボーカルの音を際立たせたいためではありますが、単純なステレオ>モノラルではないということがお分かりいただけたでしょうか?

臨場感に長ける『ステレオ』!

(上記はステレオ“再生”作品。左右から双子がしゃべりかけてくる臨場感が表現されている)

 

一方『ステレオ』。

 

(安いステレオマイク。先ほどのモノラルと違い、集音部が2つついていることがわかる)

 

『こちらの音は2本のマイクで収録した音』

 

のこととなります。

(ちなみにこちらは音楽の波形データ)

 

このため波形はこんな感じ。

1つのAudioデータに、2つの違う波形データが存在していることがわかるかと思います。

ステレオ録音の特徴としては、1つの音を同時に2つのマイクで録音することが可能なため、定位の再現性が高く、臨場感を持った音を作り上げることが出来ます。

一方、同じ音でも違う環境のものを左右で鳴らすため、定位が定まりにくくなるというデメリットもあり。

ちなみに、勘のいい方ならお気づきでしょうが、あくまで再生上は音が左右に2つ存在するのがステレオなため、モノラルで録った音を左右に振り分ければ、ステレオ再生に対応した音も作ることが可能となっています。

実際、音声作品に置いて、多くのステレオ作品は、モノラル録音データをステレオの形に編集したパターンであると思われます。

特殊なマイクで収録する『バイノーラル』!

(バイノーラルは耳元で囁かれるリアリティなどがすごい)

 

では最後の『バイノーラル』。

 

 

(こちらは売り文句にも使われるハイエンド・バイノーラルマイク“KU100”)

もうマイクを見ただけでもおわかりになるかと思いますが、人の頭を模したダミーヘッドマイクで収録した音をバイノーラルと言います。

 

「機械的なマイクで音録ってるけど、人が聴く音って耳やら骨格やらに影響されての音だよね?」

 

「つまり、頭再現した方がリアルな音なんぢゃね?」

 

そんな発想の元の生まれた録音方式となります。

ステレオ録音を、マイク形状によってよりリアルにしたものと言っていいでしょう。

バイノーラルのメリットは『とにかくリアルである』こと。

このため、耳元で囁かれるなどの音は、目を閉じればそこにいるかの様な破壊力を発揮します。

また、恐らくマイクの形状が形状のため、演者側も演じやすくなると言うメリットもあるのではないでしょうか?

一方デメリットとしては『リアルなことが良いとは限らない』ということでしょうか。

絵で想像していただければわかりやすいかと思いますが、『リアルな絵=デフォルメ絵より優れている』というわけではありません。

事実、バイノーラルでも悪い部分もリアルに再現してしまい、また特殊なマイク形状なことから、音がこもりやすい・音が遠くなりやすいという傾向にあります。

用途に対する向き不向きや、好みなどもあり、バイノーラル録音が世に出始めてから今日まで、様々な理由から音声作品界隈以外ではステレオ→バイノーラルという置き換えが成っていません。

全ては一長一短。作品との相性や好みが大事!

おわかりいただけたでしょうか?

要するにこの3つの録音方式は、それぞれにメリットがあり、それぞれにデメリットがあるわけです。

しかも、マイクの性質の違いなだけで、データ上はどうにもできるため、実際モノラルで録ったものを編集上でバイノーラルっぽくすることが可能でもあります。(もちろん手間ですし、あくまで“風”の音ですが…)

 

『定位がハッキリし、こと音声を綺麗に聞きたいならモノラル』

 

『左右から展開される臨場感を楽しみたいならステレオ』

 

『ステレオよりリアルな音を楽しみたいならバイノーラル』

 

乱暴に分ければこんな感じでしょうか。

 

「いやいや、モノラルとか時代遅れだし…」

 

「やっぱりステレオよりバイノーラルでしょ!」

 

などと決めつけず、本当にあなたが求めている音を見つけてくださいね!

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